何故世界から戦争がなくならないのか?

経済

始めに

 戦争は人類史を通じて、無数に繰り返されてきた悲劇です。その悲惨さは、多くの人が自覚しているはずです。戦争の結果として失われる命、破壊される家庭、そして引き裂かれるコミュニティについて、多くの人は心を痛めます。

 それにもかかわらず、世界では今日もなお多くの地域で戦争が繰り返されています。あまり知られていない事実かもしれませんが、紀元以来、世界中で戦争のなかった日はありません。世界のどこかで戦争は起こっています。

 なぜ我々は悲惨な結末を知りながら、戦争を避けられないのでしょうか?この記事では、「なぜ世界から戦争がなくならないのか」という重いテーマを掘り下げてみましょう。先ずは、戦争が絶えることのない理由を考察していきます。そして、真の平和は達成可能かを考えてみましょう。

本記事のポイント

戦争は人類史を通じて、繰り返されてきた悲劇である。知られていない事実だが、紀元以来戦争のなかった日は一日もない。

戦争の原因は政治的、経済的、社会的な要因が複雑に絡み合っている。

しかし、戦争で得た失敗から正しい教訓を得られていないことが戦争を繰り返す一因とも言える。これにより繰り返されている戦争は数多くある。

日本でも戦争での教訓を国として生かせず、福島原発事故のような非常時に、戦争の敗退となった方針を国として繰り返している(他国から提案があったが、耳を傾けられなかった)。

学びを身に付けるために実践したいこと

難易度 1: 簡単に始められる行動

1. 戦争に関する正確な情報を収集し、それを周囲の人々と共有する。情報は豊富にあるので、正確でバランスの取れた情報を得るように意識する。

難易度 2: 少し努力が必要な行動

2. 平和に関するセミナーやイベントに参加する。平和を願う思いを持つ人々と出会うことで、平和について考えを深める機会を作る。そして、なぜ戦争が起こったのか、なぜ繰り返されるのかを自分なりに考え答えを導く(答えを導く時には、客観的意見をもらえる他人との協議を必ず行うこと)。

難易度 3: 継続的な努力が必要な行動

3. 学校や地域社会での平和教育プログラムに参加する。またはそうしたプログラムを支援する。これを通し、若い世代に戦争の悲惨さと平和の価値を伝える。上記(難易度2の活動)で得た自分の考えを若い世代と共有してみる。

本記事で学んでほしいこと

 戦争は人類史を通じて、繰り返されてきた悲劇です。その悲惨さは、多くの人が自覚しているはずです。戦争の結果として失われる命、破壊される家庭、そして引き裂かれるコミュニティについて、多くの人は心を痛めます。

 それにもかかわらず、世界では今日もなお多くの地域で戦争が繰り返されています。あまり知られていない事実かもしれませんが、紀元以来戦争のなかった日は一日もありません。

 なぜ私たちは悲惨な結末を知りながら、戦争を避けることができないのでしょうか?
 この記事では、「なぜ世界から戦争がなくならないのか」という深刻な問いに迫ります。戦争が繰り返される理由を探り、真の平和が達成可能かどうかを考えていきましょう。

戦争の原因

 通常、政治的、経済的、社会的な要因が複雑に絡み合っていおり、原因は多岐にわたります。加えて、国家間の利害対立、資源の争奪、宗教や民族の対立など、戦争を引き起こす背景にもさまざまな原因が存在します。

世界秩序のため

 しかし、歴史を振り返れば、戦争はしばしば変革の触媒ともなった事実もあります。国境を再編し、新たな世界秩序を生み出す原動力になっています。しかし、その過程で無数の犠牲が払われていたこともまた事実です。

儲かるため

 また、戦争は(不健全ながら)「儲かる」とも言われます。戦争では多くの兵器や爆薬等が使われます。戦争時にはこれらの需要が途切れることがないため、軍需産業が大きな利益をあげられます。

 さらに戦争で勝つことが出来れば相手国から多額の賠償金や領土を奪うことは出来ます。大陸国家にとって領土の拡大は、自国の経済成長や外交戦略上を有利に働きます。簡単に言ってしまえば、得られるものも大きいためです。

教訓を生かせないため

 前記2つの例は戦争を肯定する理由としてよくあげられます。しかし、これらが真の原因ではありません。大衆は確かに悲しんでおり、戦争を望んでいないことは確かでしょう。 

 戦争が繰り返される一因として、過去の戦争から得られた教訓が間違っていることがあります。そのため、上記のような誘因によって戦争を開始してしまうのです。

ソ連の例

 例えば、ソ連は西欧諸国との間に東欧諸国という干渉地域を設定しました。結果として、冷戦を引き起こしました。また、アフガニスタンを干渉地域として支配しようとした結果、軍事介入を行いました。これが冷戦中に起こったため、アフガニスタン戦争(ソ連と西側連合軍との戦争)となっています。

 そもそも、干渉地域となっている国にむやみに軍事介入することは、戦争への引き金になることは歴史的に証明されています。昨今のソ連-ウクライナ戦争も同じでしょう。NATOがウクライナを取り込めば、干渉国を失うソ連が黙っているはずがありません。この戦争は起こるべくして起こったといってよいでしょう。

アメリカの例

 米国は第二次世界大戦での勝利国となりました。しかし、その後のベトナム戦争やイラク戦争で敗退しています。この敗退原因は同じといわれています。アメリカが勝つことが出来たのは連合国として戦った時のみです。1国だけでの戦争は負けています。ベトナム戦争の敗退がそうでしょう。しかし、教訓を生かせずイラク戦争で再び1国での戦争を行い、最終的に敗退となっています。

教訓を活かせたドイツ、教訓を生かせない日本

 日本とドイツは第二次世界大戦で同じ敗戦国ですが、その後異なる道を歩んでいます。

 ドイツは自国の基本的人権を犠牲にしても、戦争の引き金となった「ナチスやヒットラー」の賞賛に対する制限をかけました。憲法作成においても、残っていた州知事が集まり、自国で作り上げました。戦争を振り返り、自国民で新たに国を立て直したのです。

 一方、日本はGHQによる「東京裁判」を経て、外部の力によって戦争の原因が排除されました。言いかえれば、反省の機会を奪われたとも言えます。そのため、憲法の改定も任せられましたが、「大日本帝国憲法 (明治時代)」と同じものしか作れませんでした。結果として、新規憲法もGHQの介入によって改正されたのです。

反省の機会を失った日本の現状

 上記の状況から、日本は与党が憲法変えたい、野党が憲法を守りたいという、世界的には考えられない「捻じれ」の構造が存在しています。※通常与党は自国の憲法改正を好みません。

 さらに、日本は戦争で得た教訓を生かせていない他の事例もあります。例えば、福島原発事故では、戦力の逐次投入という戦争敗退の主原因となった方針を繰り返しています。結果として、惨劇がより拡大したのはご存じのとおりです。福島原発の問題は、諸外国からは戦力の逐次投入を回避する様に提案されていました(一気に戦力を投入して、問題解決をすべき)。

 戦争がなくならない理由は複雑で多岐にわたりますが、過去の失敗から正しい教訓を得られていないことが原因かもしれません。

タイトルとURLをコピーしました