マネジャーの仕事は何か?

組織

始めに

 組織運営はとても難しいものです。しかし、その運営の中心となるのがマネージャーです。マネージャーの役割は多岐にわたり、組織運営の成否を左右するうえでとても重要な責任があります。

 しかし、マネージャーに求められる業務内容は広く、本当に重要な点が何かが分からなくなることもあります。目の前の利益を確保すること、長期的観点で部下を育成することの相反する時間軸の問題を扱います。さらに、自組織の運営が円滑にすすむ様な他組織との政治的な駆け引きも必要になります。

 時間は有限でありながら、マネージャーには実施が求められる内容も多くあります。この様な中、この記事では、「マネージャーの仕事は何か?」について考えていきましょう。特に、数多くある業務の内で何が最も重要であるかを考えてみましょう。

本記事のポイント

マネージャーは組織運営の中心的役割を担っている。多岐にわたる役割を担い、組織の成功を左右する存在である。

マネージャーは現場の課題に対して解決し、組織を前進させることが最も重要である。その際には、一人では困難であり、チームの力が必要である。

チームとして機能するためには、部下からの信頼が重要である。これはリーダーシップに依存する。リーダーシップの目的は部下をフォロワーとし、自分と共に問題解決に立ち向かわせるものである。

信頼関係の構築やチーム力の向上のためには、平時には部下の育成を最優先に考える。1 on 1を定期的に行うと良い。

学びを身に付けるために実践したいこと

難易度 1: 簡単に始められる行動

1. チームメンバー各自の強みと改善点を把握する。これにより、適切なタスクをメンバーに割り当てる。

難易度 2: 少し努力が必要な行動

2. 毎週または隔週で、10-30分の1対1の時間を設け、部下の意見や懸念を聞き出します。

3. 本を読む、又はセミナーに参加するなどの行動で、意識的に自分のリーダーシップ能力を高める訓練をする。

難易度 3: 継続的な努力が必要な行動

4. チーム全員でビジョンとミッションを見直し、必要に応じて再作成する。チーム全員が腹落ちする内容を作り、全員が目指すべき方向性を明確にする。

本記事で学んでほしいこと

 組織の運営は複雑で困難なものです。そして、この組織運営の中心にはマネージャーがいます。マネージャーは組織運営の中心的役割を担っています。多岐にわたる役割を担い、組織の成功を左右する存在ともいえます。

 しかし、マネージャーに求められる業務内容は広く、本当に重要な役割が何かが分からなくなることもあります。目の前の利益を確保すること、長期的観点で部下を育成するなどの相反する時間軸の問題を扱います。さらに、自組織の運営が円滑にすすむ様な他組織との政治的な駆け引きも必要になります。

 しかし、限られた時間の中で、どのタスクに優先順位を置くべきかを見極めることは容易ではありません。今回の記事では、「マネージャーの本質的な仕事とは何か」をもう一度振り返ってみましょう。

マネージャーは「目の前の課題を何とかする人」である

 マネージャーは現場の課題に対して答えを出す必要があります。最終的に課題を何とか解決し、組織を前進させることが最も重要です。

 ただし、万能解を見出す必要はありません。万能解ではなく、現時点で対応可能な策を考え出す必要があります。そのため、一人では対応に限界であり、課題を「何とかする」ために、チームという機能を用いて対応していくことが求められます。

チームを育てる 

 課題に対応する際には、そのチーム力が重要なカギになります。チーム力が弱いと、「何とかする」際にもとれる選択肢が少なくなるからです。万能なメンバーが揃っていなくとも、チームとして様々なケースに対応できるようになれば問題ありません。

 そのために、リーダーはチームのメンバーを育てることが重要になります。先ずは、チームメンバー各自の強みを知っておくことは非常に重要です。それを中心に各自の強みを伸ばせるような業務を与えて育成すると良いでしょう。チームメンバー各自の強みを最大限に発揮できるよう、平等で開かれた環境を整えることに尽力しましょう。特に、平時には部下の育成を最優先に考えましょう。

 しかし、緊急時には自らが前に立って引っ張る勇気も大切です。自らが先頭に立ち、問題が発生した時に各自の強みを活かし解決に向けて協力できる環境を作れると良いでしょう。

リーダーとして認められる

 しかし、部下も人間であるため、リーダーを尊敬できないと、その指示に素直に従うことはありません。そのため、リーダーシップが必要になります。リーダーシップの目的は部下をフォロワーとし、自分と共に問題解決に立ち向かってもらうことです。

権力での命令は愚策である

 間違ってはいけないのは、部下が指示に従わない際に、権力で従わせる方法はとらない方が良い点です。権力による指示は、時には最も有効です。しかし、あくまで最終手段として考えましょう。

 常に権力を振りかざし、部下を力で抑え込む対応は最悪の手段です。この様な行動はリーダーシップとは真逆のもので、部下の心は離れていきます。部下の心が離れていけば、問題発生時に部下から誠心誠意の協力を得ることが難しくなります。

リーダーシップを育てる

 リーダーシップとは日常の行動に現れます。リーダーがどのようなビジョンを持っているか(どの様な考えで仕事を行っているか)は部下の目からは分かります。そのため、部下が共感できるビジョンを示すことが重要です。直ぐに共感してもらえないならば、共感してもらえるまで何度も部下に対して説明することも必要です。後に示す、チームのビジョンと矛盾がないことも重要です。

日常的な行動

 リーダーは部下との信頼関係を築くことが重要です。そのためにはリーダーは部下のことを知り、自分のことをよく知ってもらわなくてはなりません。通常、業務時間は忙しいので、この様な時間をとることは難しいものです。だからこそ、意図的に部下と話す時間を設定する必要があります。この時間は(緊急時を除けば)、最も優先すべき時間として自分のスケジュールに入れましょう。

1 on 1の実施

 具体的には、1 on 1の時間を確保しましょう。1回あたり、10-30分程度で十分でしょう。しかし、半月に一度では意味がありません。少なくとも2-3週間に1度、望ましくは毎週1度行いましょう。1 on 1の時間は、リーダーが話す時間ではありません。部下の話を聞くことを重視しましょう。

 積極的な傾聴を行い、部下の想いや希望を聴きましょう。全てに賛同する必要はありませんが、気持ちに共感することは重要なことです。そして希望が極力叶うように与える業務内容や配慮などを部下に対して行いましょう。

 ただし、共感を意識するあまり、会話が単なる愚痴を聞くだけの場にならないように気をつけましょう。適度なフィードバックを挟み、部下の育成やモチベーション向上につなげることを意識しましょう。

最初は質よりも回数を意識する

 すべての会議でこのような建設的な会話が行われることが理想です。しかし、あまりにも理想を意識し過ぎると、部下にとって1 on 1が負荷のかかる嫌な時間となってしまいます。あくまでも信頼関係の構築と相手を知ることが目的です。

 そのため、雑談や愚痴を聞きだけに終わっても気にすることはありません。むしろ継続して続けることで、その効果が発揮されると信じましょう。継続していくことで、1 on 1事態の内容は徐々に質が上がっていきます。

チームの大目的

 軽視されがちですが、チームのミッションとビジョンを明確にすることも重要です。ミッションは「何をするか、何をしないか」を定義します。これがあることによって、困った時には何を優先すべきかの判断軸をメンバーが知ることが出来ます。

 ビジョンはチームが最終的に到達したい未来の姿です。ビジョンは極力具体的かつ測定可能な目標に設定しましょう。そして、それを達成する道のりも同時に明確にしましょう。

 課題に対し、出来ることから小さな一歩を始め、全員で取り組む姿勢を育てましょう。これらの行動を継続させることで、チームは成長します。そして、継続的に成果を生み出すことができるようになります。

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