働く人が知っておきたい組織心理学

心理学

本コンテンツの結論

組織心理学とはリーダーシップや人間関係に焦点を当てた学問です。

・人間の非合理性や感情、特に「妬み」のような感情は組織内のパフォーマンスに影響を与えます。良好な人間関係の構築は組織のリーダーにとって不可欠です。これによりチーム力が左右されます。

・特に信頼関係は重要です。この構築となる前提は、相手と対等に付き合うことです。自分に非がある時は誠意を込めて謝罪をしましょう(組織内の役職の枠にとらわれてはいけません)。謝罪を軽んじたり、先伸ばしにすると信頼関係は崩壊し、回復が困難になります。

学びを身に付けるために実践したいこと

難易度 1: 簡単に始められる行動

1. 日々のコミュニケーションで、メンバーの言葉に真摯に耳を傾け、メンバーの感情に共感するよう努める。

2. 職場での情報を積極的に共有することで、チーム内に協力的な雰囲気を醸成する。

難易度 2: 少し努力が必要な行動

3. 信頼関係が損なわれた場合、謝罪の6つのポイントを意識して行動する。特に「素早く謝罪する」「言い訳をしない」などは、関係修復に効果的です。

4. チーム内で各メンバーの専門性を尊重し、それを基に役割と期待を明確する。定期的にそれらに対するフィードバックを各メンバーに行う(月に1回以上は行う)。

難易度 3: 継続的な努力が必要な行動

5. リーダーは全員と良好な関係を築くことに注力し、内集団と外集団の間の格差を最小限に抑える。チーム内のコミュニケーションを促進し、全員が同じ目標に向かって協力できる環境を作り出す。

コンテンツ本文

組織心理学の重要性

 組織心理学はリーダーシップや人間関係に焦点を当てる学問分野です。成功した組織や集団の共通特徴を分析し、効果的なリーダーシップスタイルを提案します。リーダーは、この学問を通じて自己の行動や決定がチームに与える影響を理解し、より効果的な組織運営を目指せます。

感情の管理とチームの活性化

 人間は非合理的な行動を取ることがあり、「妬み」という感情がその背景に存在します。妬みには、悪影響を及ぼす「悪性の妬み」と、良い影響を及ぼす「良性の妬み」があります。
 「悪性の妬み」は敵意や憤怒に基づく不快な感情ですが、「良性の妬み」は羨望などのあこがれの感情で、対象からアドバイスを求め、積極的に学ぶ行動につながります。妬まれる側も尊敬されると認識され、双方の関係性が改善されます。リーダーは、条件を整えることで、妬みをチームの活性化の起爆剤に変えることができます。

効果的な情報共有の重要性

 人との出会い後、約8週間で関係性が決定します。関係性は大抵二つに分かれます。自分と良好な関係にある部下(内集団)とそうでない部下(外集団)です。
 リーダーの場合、この様な2つの関係性を持つ集団を抱えると職場内で分断が生じるリスクがあります。内集団はパフォーマンスや職務満足度、組織へのコミットメントが高く、外集団はこれらが低い傾向にあります。このような人間関係の格差がチーム内の温度差を生むため、両集団に働きかけ、各集団のメンバー同士が刺激し合う関係性を築くことが重要です。この際には、リーダーが率先して外集団とも向き合う姿勢が必要です。

信頼関係の構築と維持

 不満は仕事への真剣な取り組みから生じることがあります。部下が上司に不満を伝えない主な理由は、評価低下や仕事量増加への恐れです。成果主義の下では、上司への発言や議論が行われやすくなります。個々の役割を明確にし、部下への本気の期待を伝えましょう。
 部下をほめることによって、モチベーションを改善する方法もあります。但し、ほめ言葉が部下のモチベーション向上に役立つためには、上司がほめるべき点を適切に捉え、部下と良好な関係を築いていることが重要です。人間関係の土壌があって初めて、ほめ言葉が部下の心に響きます。

信頼関係の修復

 信頼関係の低下の多くは、相手に対する攻撃的な言動から生じます。信頼関係を回復するには、どのような立場や役職にあれど、非を認め相手に誠意をもって謝罪することが重要です「謝罪を成功させる要素」には6つのポイントがあります。「素早く謝罪する」「言い訳をしない」「弱い立場を受け入れる」「相手の立場に立つ」「変化を約束する」「贈り物で償いのシグナルを送る」です。これらを理解し、適切に謝罪することで、信頼関係の修復が可能となります。


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